納豆の作り方



 

テレビで『朝晩ひとパックずつ納豆を食べると痩せる,血管年齢が若返る』 という趣旨の放送があったらしいのですが,その後, 納豆がお店から見あたらなくなってしまいました (ちなみに後日,データが捏造だったという報道があり,納豆が店頭にもどってきました).

 

それならば自分で作ってしまいましょう.手作りだと割高になってはしまいますが, 割高になったついでということで国産の有機栽培や減農薬の大豆を選んで作れば, より安心できる納豆になるかもしれません.お好みの大豆で最高の納豆を作りましょう.

 

参考になりそうな本:

納豆―原料大豆の選び方から販売戦略まで(大規模生産向けですが,大豆の品種や納豆の害菌などの情報まで載っています)

発酵は力なり―食と人類の知恵(乾燥納豆の作り方が載っています)

豆腐・納豆あれもこれも(いろんな保温の仕方が面白い.藁苞納豆の作り方も載っています)

とことんおいしい自家製生活。―自分で作る素材レシピ51(市販納豆を使った納豆菌液の作成)


  • レシピの例:(分量は適宜加減をしてください)
  • 大豆(浸水前で250g).
  • 納豆菌0.1g〜0.2g.(市販の納豆10粒ぐらいでも代用可能)
  • 水(納豆菌液用) 少量.

 

  • 道具:ボウル,ザル,鍋あたり.圧力鍋があると大豆の加熱時間が短くて済みます. 納豆菌液を入れる容器,撹拌に使うボウルやスプーンなどは煮沸するなどして清潔にします.
  • 保存容器: 納豆菌は酸素が好きなので,出来れば底面に凸凹がある容器が良いでしょう. (納豆パックも底面がギザギザや凸凹になっているものが多いと思います).

大豆を洗います


大豆をきれいに洗います.虫食い大豆などは取り除きます.

 

大豆粒の大きさはお好みで(小粒だと相対的に表面積が大きくなり, 納豆菌が繁殖しやすいので,納豆の味が楽しめます. 大粒だと煮豆の旨みが残っているので大豆の味も楽しめます).

大豆を洗います

大豆を水に浸します


きれいに洗った大豆を半日程度,水に浸します. 水は多め(大豆の重さの三倍程度以上)の方が良いでしょう.

水温が高い時期は短めでも大丈夫ですが,あまりにも高温ならば 雑菌の繁殖を避けるためにも冷蔵庫に入れて丸一日ぐらい浸す方が良いかもしれません. 寒い時期は少し長めの方がよいと思いますが, 長すぎるとどういう訳か茹でたときに柔らかくなりにくいように思います.

大豆を水に浸します

大豆を茹でます


鍋で煮ると時間がかかるので,圧力鍋の利用がお薦めです(省エネにもなりますし). 大豆の状態にもよりますが,圧力鍋だと1.2気圧で20分程度でも良いかも. 大豆を茹でるのではなく,長めに蒸した方が美味しいような気がします.

 

茹でるときの水は,大豆を浸した水を使う流儀と,新しい水を使う流儀とがあるようです. どちらが良いのかはよく分かりません.

大豆を茹でます

納豆菌液を作ります


熱湯で煮沸した容器に市販の納豆菌を入れます (説明書によると,付属のスプーンに山盛り一杯で0.1g). ここに十分に沸騰させた後に少し冷ました湯を加えます.

納豆菌液を作ります

茹でた大豆に納豆菌液をかけます


大豆がゆであがったら,水気を切って大豆が熱いうちに納豆菌液をまぶします.

 

大豆を蒸した場合は,容器に盛りつけてから納豆菌液を混ぜても良いでしょう.

茹でた大豆に納豆菌液をかけます

適当な容器に移します


納豆菌をまぶした大豆を適当な容器に移します. 納豆菌は酸素を好むので,茹でた大豆があまり重ならないように広げます.

適当な容器に移します

保温して発酵を進めます


20〜24時間程度の間,40度程度になるように保温します.こたつの中でも良いのですが, 電気代がもったいないので,湯たんぽか使い捨てカイロをお薦めします (湯たんぽは温度管理がちょっと面倒かも). 温度が高すぎるとくさくなるかも.

 

保温中は密閉しないようにします. 納豆から上がった蒸気が水滴となって納豆の上にかかったりしないように, 清潔な布をかぶせます(ただし乾燥させては駄目です.高湿度の方が発酵が進みます).

保温して発酵を進めます

冷蔵庫で寝かせたら完成


保温した納豆が,ちゃんと納豆らしくなっていたら冷蔵庫に半日〜一日入れて熟成させます. 熟成時に室温で放置すると大豆タンパクの分解が始まるらしく, 強烈なアンモニア臭がして食べられなくなるかもしれませんので, 発酵が十分に出来たら,すぐに冷やした方が良さそうです.

 

ちなみに,写真の納豆よりももっと均一に白くなっている方が良いそうです.

冷蔵庫で寝かせたら完成

雑菌汚染が心配な人は,納豆菌の割合を増やせば良いでしょう. あとは大豆が熱ければ雑菌が付いても死んでしまうので,熱いうちに手早く作業をすることがポイントです.

 

納豆菌が入手できない場合は,市販の納豆粒を利用することもできます. 沸騰した後の少量の湯の中に納豆を入れてかき混ぜれば,一応,納豆菌液になりますし, 納豆そのものを茹で大豆に混ぜるという方法もあるようです (ただし,そういう使い方に問題がないのかよく分からないので種菌を買ってきて使っています). あとは,無農薬の稲藁が手に入れば,煮沸してから茹で大豆に突っ込むというのもありでしょう.

 

納豆は,良くかき混ぜてしばらく待つとポリアミンとかいうものが増えるので, それから食べると良いそうです.

 

納豆は冷凍できます.栄養面での変化についてはよく分かりませんが.

 

発酵は力なりという本の42ページに乾燥納豆の作り方が載っていました. 大まかに言えば,納豆に片栗粉と乾燥したシソの葉(色は不明)を混ぜて天日で4,5日干し, 乾いたらさらに片栗粉を混ぜると干し大豆の完成となるようです.

 

大豆1カップで130gと書いてある文献もありますが,145gになることもありました. ちなみに,大豆に十分吸水させると重さが約2.3倍に増えます.体積は3倍ぐらいでしょうか.

 

食品加工シリーズ5 納豆 p.40によると, 納豆菌は室温40度周辺,湿度80%以上では30分に一回分裂するそうです. すごい勢いで増えるんですね.

 

     


   
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