パンチェッタ風塩漬け豚肉の作り方



 

お店では意外に売っているのを見かけないパンチェッタ(塩漬け豚肉). カルボナーラを作るときなど,ベーコンで代用することが多いと思いますが, おうちでもパンチェッタらしい物を作って使うともっと美味しく出来ると思います (本当はパンチェッタでもないのですが). パンチェッタ風塩漬け豚肉の作り方も比較的簡単で,基本的に豚肉の塩漬けを作るだけですし, 作るのに時間がかかると言ってもほとんどは待ち時間ですので,試してみませんか?

 

なお,豚肉の塩漬けの作り方はいろいろあるようで,一日程度で食べられるとするものから, 一ヶ月以上熟成するものまでさまざまです.ここではその間ぐらいの期間で完成としています (途中で塩抜きをしなければ1ヶ月熟成をしても大丈夫だとは思いますが,一応). 長期熟成タイプを作る場合は,もう少し塩をきつくするか, ピチットシートを使うなどしてどんどん脱水すると良いようです.

 

ちなみにパンチェッタをスモークするとおおよそ ベーコンの作り方になります. ついでに鶏ささみの燻製の作り方鳥はむ(鶏ハム)の作り方1鳥はむ(鶏ハム)の作り方2(炊飯器利用編)ブレザオーラ風牛もも干し肉の作り方ビーフジャーキーの作り方スペアリブの作り方 もありますので,合わせてどうぞ.


  • レシピの例:(分量は適宜加減をしてください)
  • ・豚肉のかたまり1kg(本来はバラ肉で作るようですが,お好きな部位でどうぞ)
  • ・塩50g(豚肉の5%程度は欲しい)
  • ・ハーブ,スパイスを適宜(粗挽きコショウ,ローズマリー,ローレル,タイムなどドライタイプを好みで. 無くても良いですというか,せいぜいコショウぐらいが正統派?)
  • ・好みで砂糖(塩の半分ぐらいでしょうか)

 

  • 道具: 包丁,ボウル,すのこ付きバットなどの調理器具.フォークなどの先の尖った物.
  • 保存容器: キッチンペーパー,ラップ,ジップバック,脱水シートなど.

肉を整えます


肉は軽く水洗いし,血などが残っていたらきれいにします. キッチンペーパーで水気をとります. ただし, キッチンペーパーをいつまでも肉にくっつけていると貼り付いて取れなくなりますので注意.

肉の調整

フォークなどで刺します


塩が染みこみやすいように,中の水分が抜けやすいように, ミートソフター(肉刺し)やフォークなどでツポツポ刺します (刺さなくても致命的ではないと思いますが).

フォークなどで刺します

塩をすり込みます


塩と好みのスパイスをすり込みます.肉の切れ目などにも忘れずに. 今回は肉の重量の6%の塩を使いました.

 

途中でドリップを捨てる場合は,一回目のドリップを捨ててからスパイスをまぶす方が良いかも.

塩をすり込みます

冷蔵庫などでしばらく保存します


ジップバックに入れて空気を極力抜き,時々ひっくり返しながら数日から一週間保存します (ドリップはそのままか,塩漬けにして1,2日後に最初の一回は捨てる.塩抜きまでの日数は何日ぐらいが最も良いのかは検討中).

あるいはバットの上にスノコをのせ,その上に肉を置いて キッチンペーパーで水気を取りながら保存(ドリップは最初から取り除き続ける)という方法もあります.

冷蔵庫などで保存します

補足:汁気の扱い


汁気が出てきた時,取り除く作り方と全体に回す作り方があり,どちらでも良いようです. パンチェッタの場合は取り除く(乾燥させる)方が多いように思います. 減塩で仕込んだ場合も取り除く方が多いようです.

10%以上の塩を使った場合などは必ずしも汁気を取り除かないようです (揉み込むことによってむしろ水が抜ける).ソミュール液に漬けた場合も.

補足

(塩抜きをします)


塩抜きは調理前に行う方が良いような気がしています.


流水が良いと言われますが, ここではボウルにためた水を替えながらおこなっています (ただし,長時間塩抜きをしないと塩辛い仕上がりになります).

暑い時期は冷蔵庫に入れた方が良いでしょう. 本当に食べられるのか?という見た目になるかもしれませんが,今のところ大丈夫でした. 流水で塩抜きをする場合は,肉に水を直接当てると味にムラが出来ますので注意.

塩抜きをします

塩抜きの時間数は,塩の量や好みで違ってくると思いますので, 端っこを切って,焼いて味見をして確認すると良いと思います. 薄塩で作った場合は,塩抜きをしなくても良いかもしれませんが, 腐りそうな気がしますので,個人的には強めに塩をして塩抜きをしています.


少量の塩(おおよそ2,3%以下?)で作った場合は塩抜きをしないこともあるようです (この場合は,ドリップの早期除去と冷蔵庫の使用は必須でしょう). また,上にも書きましたが,途中で塩抜きはせずに最後まで熟成を行い, 調理直前に必要に応じて塩抜きをして使うという方法もあります.


乾燥させます


キッチンペーパーなどで水気を取りながら,数日間乾燥させます(ペーパー等は適宜交換). 乾燥の方法としては,これ以外にも外につるしておく,扇風機の風などをあてる, 冷蔵庫の中に入れてラップ等を掛けずに乾燥させる方法があります.

ピチットという商品名の脱水シートが入手できるのであれば, それを利用すると乾燥が早く,手軽かもしれません(ちょっと高いですが).

乾燥させます

完成


塩抜き後2週間ぐらい熟成させるととても美味しいです (減塩タイプ等,作り方によっては無理なことも). 本物のパンチェッタだと1ヶ月以上かけます. 一応豚肉なので,加熱していただきましょう. ちなみに2週間目で白い粉状のものが豚肉の表面に出てきましたが,カビではありませんでした.

腐敗臭がする等,少しでも危ないと思った場合は絶対に食べないで.

完成したパンチェッタ風塩漬け豚肉

塩漬けにして保存する際,今回はジップロックのストックバッグに入れましたが, ラップ等を使わずに,すのこをしいたバットの上にむき出しのまま載せ, 水気を切るという方法もあります.

パンチェッタというのは豚バラ肉の塩漬けを一ヶ月以上熟成させたもののようです. これとほぼ同じ作り方をしたものをドゥミ・セル(demi-sel)とか,プティ・サレ (記号がちゃんと出ませんが Petit saleかな?フランス語)とも言うようです. プティ・サレの方が塩の量と熟成期間が短いのかと思っていたのですが, 必ずしもそうでもなさそうなので,結局大体同じものと考えています. ドゥミ・セルは部位がまちまち?

いろいろ書きましたが,要するにパンチェッタ風の豚肉塩漬けをつくるというのは, 豚肉に十分な塩をまぶして乾燥させつつ肉を熟成させればOK(塩抜きは必要に応じて)ということだと思います. 難しいことは脇に置いておいて,とりあえずこの原則に従って腐らないように作ってみれば良いのではないでしょうか. そういえばスーチカーも豚肉の塩漬けですね.


   
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